学生と産地で取り組む復興をこえた成長の仕組み作り
「農大会津プロジェクト トライアル」2019年4月トライアルスタート
この度、東京農業大学国際食農科学科及び総合研究所研究会バイオビジネス部会は、「農大会津プロジェクト」のトライアル事業を4月から開始いたしました。
2017年4月に“日本の「食」と「農」を継承し世界に発信していく新領域”として新設された国際食農科学科には、食の文化と農の未来を創るコーディネーターを育成する目的が掲げられています。
生産から流通、販売・消費までを一貫して学ぶということは、農業に関係した地域産業そのものを学ぶことに他なりません。未だ風評被害が払拭されていない福島県会津地方で、地域と共に商品開発を行い、その過程を積極的に内外に発信することは、支援に頼る「復興」ではなく、学生と産地が一体となって取組む「成長」の仕組み作りにつながっていくはずです。
農大会津プロジェクト目的
①「学生のキャリアアップ」と「風評被害払拭」を同時に達成
②学生と産地で取り組む「復興」をこえた「成長」の仕組みづくりを目指す
農大会津プロジェクトについて
2017年から、福島県米穀肥料協同組合が、食農科学科の一学年生にむけて、パナソニックキッチンアプライアンス事業部や福島県と共同で必修科目の演習「米概論」を実施してきた。最初の履修生が三学年に進学するにあたり、食農科学科が掲げるコンセプトに基づき、より実践的な学習体験ができないかという大学側からの提案と、風評払拭活動から脱却し通常業務を展開したい産地側の要望により立ち上がったプロジェクト。学生を産地側で受け入れ、会津地方というフィールドの中で、ワークショップを重ねながら商品を開発・販売し決済まで行うことで、双方の目的に合致した効果を達成することを目的とする。
東京農業大学 国際食農科学科 食農文化・政策研究室について
日本を中心に世界中の多様な地域が伝統的に育んできた食農文化を、人文・社会科学の幅広い学問領域から研究する。具体的には、多様な食農文化の変遷を歴史学の視点から理解し、その発展および継承を担ってきた農村などのコミュニティを社会学の視点から捉え、それらに関わるステークホルダーの行動を経済学の視点からの解明についてフィールドワークを中心に研究する。そしてこれからの食農文化の創造をコーディネートするのに必要な政策や法制度、食品流通・マーケティングなど、食農経済全般にかかわる研究を進めていく。
【本件に関する問合せ先】
〇東京農業大学 国際食農科学科 食農文化・政策研究室 担当:大久保 研治
〇東京農業大学 総合研究所研究会 バイオビジネス部会 担当:猪俣 優樹
農大会津2020 開発商品「Cmell」(コメル)
コロナウィルスの感染拡大が続き、大学の研究室にもなかなか行けない中、
リモート中心で様々な試行錯誤を繰り返してきました。
昨年同様、炊飯器を開発・販売しているパナソニックアプライアンス社のライスレディの協力を仰ぎ、
福島県会津産銘柄米単品の食味を理解した上で、「誰に向けて」「どんな用途で」
を決めるためディスカッションを重ねました。学生たちは自分らしさ、オリジナル感を出すために、
コンセプトを「コロナ禍の中、自宅に帰ってきた時に癒されるお米」と設定し、
リラックス効果があり、ご飯と相性が良い「緑茶」の香りに着目しました。
マスクで嗅覚が抑えられがちな生活の中、
炊飯器や炊き上がりのご飯からほのかに立ち昇る緑茶の香りが、
自分の空間をじんわり包み込みます。
お米の中に緑茶の香りがうまく閉じ込められるよう、
原料の1つとして、福島県オリジナルの酒造好適米「夢の香」が使用されています。
商品名は「Cmell」(コメル) smell(香り)をコメと掛け合わせました。
お米に緑茶の香りを閉じ込める。
癒されてほしいという想いを込める。
10年目と言う節目に復興(福島へ)の想いを込める。
お茶は福岡県八女市の、栗原製茶謹製の一品です。
お米に緑茶のパウダーを入れて炊く新感覚のブレンド米Cmell、誕生です。